今日11月30日は「人生会議の日」です!
奇しくも今日は、富山県の某市に出かけていました。「人生会議」=ACP(アドバンス・ケア・プランニング)が盛り込まれた【人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン】がそもそも作られる契機になった、富山県射水市の近くです。
約13年前のこの出来事は、射水市民病院人工呼吸器取り外し事件(事件か?)などと言われ、この一件が契機となって、人生の最終段階(当時は「終末期」と言われていた)の医療をどうするのか、どうやって決めていくのかというガイドラインが作られました。
このガイドラインが、2018年3月、約11年ぶりに改定となった【人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン】なのです。
当時、このできごとを追ったドキュメンタリーが作られていたんですね。今、この記事を読んでみると、この10年強で社会の空気も変わってきたんだなあとしみじみ思います。厚労省はじめ、医療現場の先生や看護師さん、亡くなっていった患者さんやご家族お一人おひとりが積み重ねてこられてきたことを感じます。
今現在もなお、この記事にあるような現実は、日本中で起こっており、家族が判断に苦しみ、遺族が消えない後悔を抱えています。
それでも、現場は少しずつ動いてきました。「本人の意思」を尊重したい。だから家族で事前に話し合ってほしい、と。
人生会議のポスターは、その流れの上にあるものだと改めて思います。
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さて、ついついポスターに気を取られてしまいますが、今日11月30日は「人生会議の日」です。
もしも自分が患者だったら?
もしも自分がその家族だったら?
今日の終わりに、たとえば以下の記事をきっかけに、そんな風に一度周囲の方と語り合ってみていただけたら幸いです。
この記事は、亡夫が最後に頼った編集者によるものです。
死に近い夫の「生きる」を支えてくれた方々のお一人。『僕の死に方』の編集者であり、執筆中は我が家にも日参して下さいました(訪問看護師さんより多かったかも)。
本人を支えるのは、医療や介護の専門家だけではありません。
また、家族だけでもない。
夫は「人生会議」を実践した人でしたが、周囲の方々の関わりで、夫との死をめぐる対話がより深くなったことも書き添えておきたいと思います。
「人生」は、他人や自分が思うよりもっと広く、そして深いということも、この過程で知ることができました。
お辛い話を、他の人の役に立てばとお話くださっているご遺族に深く感謝します。ご遺族にも多くの思いがあります。
亡夫もまた、自分の経験が少しでも役に立てばと、本人曰く「おまけの時間」を『僕の死に方』の執筆に充てました。
私はいつも、その気持ちに大きく心を揺さぶられます。