金子稚子の「とんぼとかめ」日記

『ACP(アドバンス・ケア・プランニング)』『人生会議』を中心に、死や死別について考えることを記しています。

立春が過ぎ、新しい暦が始まりました。

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東風解凍(はるかぜこおりとく)

立春が過ぎ、新しい暦が始まりました。厚い氷もいつかは解ける日が来ると信じて、私たちはいつも変わらず役目を果たしてまいります。

本年も何卒よろしくお願いいたします。

 

夫と死別してから、私は年賀状を失礼させていただくようになりました。

大切な人と死別したばかりの方、重い病を患う方、そのご家族、死ぬほど生きるのが辛い方……。そういう方々の中には、年末年始の世の中がなんとなく華やぐ時にちょっと厳しい気持ちになる人もいること、自分が体験してよく知っているからです。

 

夫を亡くしたばかりのクリスマスイブ、そして元旦に、いつもとまったく変わらない様子で変わらない連絡をしてくださった方々がいました。クリスマスにはクリスチャンの方、元旦にはご実家がお寺という方々です。

温かな気持ちに触れ、ほっとしたことを覚えています。

そんな経験から、そんなときだからこそ“いつもと変わらない一日”を意識し、「おめでとうございます」は控えるようになりました。

 

……が、時間の経過を確認する大切さも、死別経験者として理解しているつもりです。ずっと変わらないと思っていた悲しさも、消えることはないけれど変化していく……。その変化を感じることは、時に自分に力を与えてくれることもあります。

だから、1年という節目を意識することもとても大切だと思っています。

 

そんなわけで、私にとっての「新しい年のはじまり」は、立春です。

数日過ぎてしまいましたが(汗)、今年もよろしくお願いいたします。

 

あ、ちなみに「東風解凍」とは、七十二候の第一候です。